みなさまにはお変わりもなくお過ごしでしょうか?今年の冬は
暖かかったせいか、特に桜の開花が早まったようです。日本は
いつになく寒いようですね。こちらでは雪も申し訳程度しか降ら
ない残念な冬でした。
さて、今日は停電の話です。power failure、 black out と
言うのだそうですが、ここではマッチとローソクはかかせません。
もちろん、直接照明を嫌うかれらのことですから、ローソクはとて
も大切な日常の贈り物として定着しています。いまだ日本を引き
ずっている私が騒ぐほど、彼らは不満に思っていないのでしょう
が、驚きましたねえ。数日前のことです。
その夕刻七時、私はガレージでウッドワークをしていました。
びゅんびゅん電動丸鋸などを使っていたのです。と、突然、停電。
電気を使いすぎての我が家だけの停電かとはじめは思いました。
なら、とにかくほかの部屋へ行って善後策をと、そろそろと真っ暗
な中、移動始めました。蟹歩きで。ところが階段は見つからず全く
違った方向のガレージドアに行き着いたのです。全く人間は明か
りに頼らずには、方向さえ決めることがおぼつかないのですね。
それからの二時間、真っ暗な音のない中で、私は来し方行く末
をつくづく考えていました。ここは日本を遠く離れたカナダはB.C.
州です。
思えば遠くへきたもんだ・・・・。走ってばかりいて、あまり後ろを振
り向いていなかったとも思いました。暗闇は、とても不思議な、自分
を思い起こすことのできる雰囲気を作っていました。
ほかの州は定かには知りませんが、ここには一基の原子力発電も
ありません。冬に積雪のすくなかったこの夏はもっと停電があるかも
しれません。この停電の前は、真夜中でしたが6時間続きましたから、
もしこれが日本なら、暴動が起こるかも・・・。
なす事もなくぼんやりしていても仕方がないので、私は、ろうそくの
揺らめく炎を頼りに、宮沢賢治の「春と修羅」を読み始めました。
お客様がおみやげに持ってきてくださったものです。
くらかけの雪 宮沢賢治
たよりになるのは
くらかけつづきの雪ばかり
野はらもはやしも
ぽしゃぽしゃしたり黝くすんだりして
すこしもあてにならないので
ほんたうにそんな酵母ふうの
朧なふぶきですけれども
ほのかなのぞみを送るのは
くらかけ山の雪ばかり
(一つの古風な信仰です)
イーハトーブの原風景かなと想像しつつ、彼特有の言い回しを
暗闇の中でたっぷり楽しませてもらったのでした。
さて、Chiekoは3月16日帰国します。長男がこちらに留学いたし
ますので、家の整理のためです。どなたか留守宅に住んでくださる方
を探しているのですが、いらっしゃらないでしょうか?家具付きです。笑
世界は異様な雰囲気ですね。戦争が好きなのは男だと言う話もある
ので、世界中の国家元首は女が占めるといいのかもしれません。命の
重さを知っているのは命を生み出す女だけかもしれません。命を奪い
あう兵器の競争するなど、異様です。
平和のための戦争などあり得ないのです・・・。
ちなみに、私は、カナダには31日帰国の予定です。
Chieko
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from Chieko Yanagitani from Greater Vancouver
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Cliffrose Letter March 13 2003 停電 in Canada