Feel Guilty
昔、アラブに駐在したことがあるという友人の話である。「もし神がアラブと
地獄を自分にくれたら、自分は地獄に住んでアラブを人に貸す」 それほど
彼等の宗教観、モラルが日本も含まれるデモクラシーの文化圏とはかけ離
れているとの話だった。
そのイラクの事情が気に入らないからと言って、アメリカは大量の破壊兵
器と兵士を投入して、国中をがれきの山にしてしまった。イラクよりもアメリカ
と言う国の異様さには驚かざるを得ない。よその国のありようが可笑しかろう
が、それを改革するのはその国の構成員であるイラク国民の仕事のはずで
ある。地球を何回も破壊させられるほどの兵器を持っている国が、それを持
っているかも知れないという不確定な目的だけで、ここまでよその国をめち
ゃくちゃにしてもいいものだろうか。
今また、ブッシュが指揮するアメリカ軍が、ファルージャと言うイラクの町を
包囲し爆撃しているとのニュースが放映されている。破壊や殺戮から平和が
得られると思うブッシュの錯誤を阻止出来なかった今回の大統領選の結
果が残念でならない。
すでに、アメリカ側の犠牲が1100人を越え、定かではないがイラクの犠
牲者が10万人にものぼるらしい。後何人、何百人、何千人犠牲を出せば
「平和」がくるのだろうか。昔から、為政者にとつて死者の数は、ただの数
に過ぎない。その一人一人に大切な家族と歴史、輝く未来があったことな
ど、関係ないのだった。
前にも書いたが、どちらかと言えば経済力のある人たちの移民の国が
カナダである。理由の多くは兵役義務から子供達を解放したいと言うの
ものである。お金持ちでなくても子供を戦争にやって無駄死にさせたく
ないのはどの親も同じである。
話は変わるが、1945年8月15日終戦の日私は3歳だった。和歌山に生
まれ育ったの戦争の記憶は、丸善下津精油所が被弾して燃え上がった時、
雲と月が焼けていると思ったことと、あたりが真っ暗になっての土砂降りくら
いなものである。それは絨毯爆撃による火災の上昇気流によるものかも
しれない。戦争自体の記憶よりも、その後長く続いた飢餓感の記憶の方が
生々しいといえる。親が分け与える芋の大きさや一粒のキャラメルまで兄姉
げんかの元となった。子供ながら、毎日食べ物のことばかり考えていたので
ある。長じて料理好きになる原点であるが、現実の悲惨さは、当時よりも幸
せでいられる今の方が、ひしひしと感じられる。
鮭と鮪の刺身・胡麻豆腐・青菜の柚子みそ和え・お味噌汁。これは
あるレッスン日の生徒達のランチメニューである。
移住後6年半、私の絵のレッスンは日本料理のランチつきなのである。
生徒の多くは、かつて日本が占領、統治していた国々の人たちであった。
祖父母は戦争で死に、両親は日本語がぺらぺらです、などと聞くたび、
言語まで支配した事実を肌で感じてしまうのである。
多くは40代の彼等にとっても、すでに第二次世界大戦はすでに遠い
はずであった。しかし、日本人の多くが忘れてしまった戦争を、彼等は
まだ克明に学習している。支配されたものの記憶は決して消し去られ
てはいないようであった。
私の日本食ランチは、実は、私の食材ならぬ第二次世界大戦での
多くの犠牲を強いた人々の子孫への贖罪の気持なのである。もちろん
少々大げさではあるが、私のFeel
Guiltyを宥める方法なのであった。
そんな話の時、ある生徒が私に「You are only small
potato」といった。
そこまで考えずともいいよ、と言う心遣いである。「But small Potatoes
make
country」私は答えた。私のFeelGuiltyの話を聞くと彼等は一様に
「That'shistory」と答えてくれる。
しかし、それは私のキャラクターを知った上での話であって、普通、
日本人と知るとなかなかフレンドリーにはして貰えない現実を私は知っ
ている。
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